POP道場 第2回 簡単にPOPを書くための基本スタイル

POP道場・第2回 簡単にPOPを書くための基本スタイル

“何を書いていいのかわからない”という人に
誰でも書けるPOPの基本スタイルをズバリ紹介します!
第1回では「モノで売るのではなくコトを売る」というテーマを勉強しましたが、今回は具体的に書く内容についてです。4つの基本的なPOPスタイルと、2つの簡単なPOPの書き方についてご紹介します。  

お客様の足を止めるPOPってどうやって書けばいいの?

有効なPOPをつければ売上が上がるってことはよくわかったけど、文章だってうまくないし、そんなに魅力的なPOPを書ける自信がないわ……。
誰だってポイントを押さえれば上手なPOPを書けるようになります。まずは、基本的なPOPのスタイルについて覚えておきましょう。
4つの基本POPスタイル
①おすすめPOP
②人気POP
③新発売POP
④ランキングPOP 
①おすすめPOP」というのは、「お店のおすすめ」、「店長のおすすめ」と謳うことで特定の商品をプッシュするPOPです。「②人気POP」というのは、名前の通り、「いま売れてます!」「いま一番人気」とアピールするもの。「売れているもの=買っても安心、みんなが買っている=自分も」という消費者心理に訴えかけます。いずれもその商品に安心感を与え、お客様に買うための後押しをさせる効果があります。
私もお客さんの立場のときは、店長がすすめてるならって思ってついつい買っちゃうことがあるわ。
あと、「③新発売POP」というのがありますね。お客様というのはいつも新しい商品に惹かれているものです。新発売と書いてあれば、とりあえずどんな商品なのか見てみたくなるのが人情というものです。
④ランキングPOP」は「②人気POP」の発展バージョンです。ランキングで順位になっているとついつい見入ってしまうもの。テレビでもランキング番組は人気が高いでしょ?
特に売りたい商品に、時期やタイミングを見てこの4つのどれかを選んで付ければいいのね。
そのとおりです。的確なPOPを付けることで店内を歩くお客様の足が止まるようになり、それが顧客単価のアップにつながるはずです。

お客様の共感を呼ぶ魔法のPOP術 メールdePOPと一言POP!

次に、効果的なキャッチコピーの作り方を勉強していきましょう。まず頭に入れておいてほしいことは、お客様にモノを買っていただきたいならお客様に共感や納得を感じてもらわないといけないということです。そこで、次のポイントを押さえてキャッチコピーを書くことをおすすめしています。
POPコピーのポイント×5
商品のウリは何?
 ターゲットは誰?
 どんな利用シーンで使われるの?
 体験談を書く
 会話調で書く(つぶやくように) 
たとえばこんな感じ!
お客さんの共感を呼ぶってことが大事なのね。私が書くと、メーカーさんのキャッチフレーズをそのまま使ってしまったり、値段や商品名を大きくしてしまいがちなのよねぇ。
日ごろご来店いただいているお客様たちを想定してもっと絞り込んだ内容にしたPOPのほうが、お客様も親近感がわきますし、より目を引くものになるはずです。その商品がどういうお客様にどう使われるのか、お客様が生活のなかで、どういうことでお困りなのか――というようなことを想像して、自分の言葉で文章を書いてみてください。きっと共感や納得を感じていただけるPOPになるでしょう。
そのサバのPOPだって「脂のりバツグン」「ご飯がとまらない!」って書いてあると、思わずよだれが出てきちゃうもんね。
順番にポイントを整理してみましょう。まず、「① 商品のウリ」についてはメーカーさんのパンフレットなどで確認してください。次に「② ターゲットは誰?」「③ どんな利用シーンで使われるの?」ということについて想像をしてみてください。その商品は女性向けなのか、男性向けなのか。年代は? お店の地域は都心なのか郊外なのか? 商品のターゲットが女性だとして、よくご来店されるお客様にOLさんが多いか主婦が多いかでも書く内容が変わってきます。
この辺は住宅地だから、うちはやっぱり主婦のお客さんが多いわね。
そのお客様たちの顔やライフスタイルを思い浮かべて、その人にメッセージを書くようにキャッチコピーを考えてください。主婦のお友達に語りかけるように書くといいですよ。「自分が使ったらこんなに便利だった」とか「これってここがすごいのよ」というようなポイントを素直に書いてみることです。これが「④ 体験談を書く」と「⑤ 会話調で書く(つぶやくように) 」にあたります。私はPOPに慣れていないという人にはいつも「メール de POP」をおすすめしています。これは簡単ですよ。携帯でメールを書くようにPOPの文章を書けばいいんです。
つまり、
 タイトルを打つ
 仲のいい友人や家族に商品紹介をするつもりで本文を打つ。
たったこれだけ! たとえばこんな感じです。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
本当にケータイメールみたいに書けばいいのね。絵文字も入ってて可愛い! これなら私でもなんとかなりそうね。
友達へメールを書くときは、かっこつけずに大切なことをわかりやすくストレートに書くでしょ?  それがPOPにぴったりなんですよ。POPはお店とお客様のコミュニケーションツールです。お客様の身になって、大切な友達に語りかけるように書くのが良いPOPを書くコツなんです。
これならすぐにできそうだわ。でも、このPOPのサイズって少し大きいわね。貼れる場所が制限されるかしら。
このサイズだとどこにでも貼れるってわけにはいきませんね。そんなときは、どこにでも貼れて効果も抜群な「一言POP」を作りましょう。一言POPとは、小さいPOPカードに商品にまつわる体験、感想、提案などを一言で書くだけの簡単POPのことなんです。
ぱっと目に飛び込んでくるからわかりやすいわ!
小さいからどこにでも貼れるし、シンプルなだけにメッセージも伝わりやすいんです。売り場で迷っているお客様の背中を後ろから“ポン” と後押しする効果が抜群なんですよ!
一言POPでは、以下のことを頭に入れて書くといいと思います。
一言POPのポイント3
①メーカーの立場ではなく、お客様心理を基に書く
②3秒で気づかせる
③自分の言葉で伝える
もう一つ覚えておいていただきたいことが、必ずしも商品名を入れなくてもいいということです。上のPOP例でも4つのうち3つは商品名が入っていません。POPはその商品の場所に貼るから問題ないんです。価格も入っていません。商品の特性、面白さだけを一言でアピールしているから、余計なものがなくてわかりやすいんです。商品名が入った方がアピールしやすいという場合は入れたほうがいいですが、とにかく文字数を少なくして自分の言葉でシンプルに書くということをこころがけてください。
ちなみに下の左の例は悪い例です。POPカードが小さいのに小さい文字をぎっしり書き込みすぎて読みづらいですよね。逆に右のほうは大切な言葉だけをシンプルにメリハリをつけて打ち出しているのでストレートに言葉が伝わってくるでしょ?

今日は、4つの基本POPスタイルと、メールdePOP、一言POPの6つのスタイルを覚えたから、これを使って明日から早速POPを書いてみることにするわ。
次回はPOP道場の最終回、こんどはPOP用紙にどうやって文字を書き込んでいくか。レイアウトについてと綺麗でわかりやすい文字の書き方を学んでいきます。(つづく
<監修:社団法人公開経営指導協会 講師 山口 茂>

 

 
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